最強の仲間とともに鈴鹿で戦ってきました!
ライダー3名 丹生谷 泉 内山
ピットクルー5名 内田 高橋 高尾 岩本 内山



昨年8月に仲間と共に結成した"N'zRacing"
その時の泉の体重は74kgほどありました。
ハッキリ言って100ccのオートバイレースで戦える体ではありませんでした。
それが昨日のレース本番では57.5kg
禁酒・ランニング・プール・食事制限
22年前プロレーサーとして走っていた頃の体重は52kg その時に着ていた革ツナギを
何とか着れる様な体になり、20年ぶりに鈴鹿サーキットのビッグレースに参戦しました!
10月25日金曜日 夕方4時に第1ライダーの丹生谷選手と場所確保の為鈴鹿サーキットへ

10月26日土曜日 特別走行会 レース本番前の最後の練習走行


そしてそして
10月27日日曜日 鈴鹿Mini-Moto4時間耐久ロードレース
この1年間、この日の為に頑張って来ました。
2013年 MiniMoto ST100クラス 参加台数119台

あの世界チャンピオン バレンティーノ・ロッシが17歳で日本グランプリにやって来た時、
バトルを演じた高尾君もピットクルーとして来てくれた!
彼とは20年振りの再会でした。

N'zRacingのゼッケン№は”10” 予選は25分間 AM8時25分スタート
この予選は第1ライダーの丹生谷選手が担当!!!

予選出走119台中 25番グリッド確保!!!

さあ(^O^)/ いよいよ決勝!!! 12時ピッタリにスタート
ここから4時間の熱い戦いが始まるε=ε=ε=ε=ε=(o- -)o ブーン



いよいよだ!!!!!! 頼んだぞ!!! 丹生ちゃん!!!


スタートーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!


スタートは上手く行った! ┌|゜ο゜|┘ヨッ! (/ ̄□ ̄)。しゃぁぁ~っ!
ピットに戻りモニターを眺める。
1・2コーナーよし S字もよし いい位置につけてる よしよし
全員でモニターを眺める。
デグナーもよし 居る居る 大丈夫。。。
泉がモニターから目を放したその瞬間だった!!!
ピットクルーリーダーのあきおちゃんが「こけたーっ!!!」と
えーっ!!!
丹生谷選手がヘアピンで転倒!!!
順位を大きく落としてしまい58位
その時思ったね やっぱりレース これがレース
転倒でマシンのダメージが大きい場合はピットに帰ってくる。
即座に修理の用意に取りかかる。
泉が即座にモニターに目をやった時に丹生谷選手は左側に転倒していた。
考えられる部品と工具一式を準備
しかし帰って来ない。
サインボードエリヤからの情報ではストレートを通過したとの事。
「よっしゃ 丹生ちゃんのことだから走りながらマシンチェックしてるな。
そのまま頑張って走ってくれ 俺が何とかするから あと60分無事に走
って帰って来い」
サインボード担当の内田さんが P の指示を出した。
僕はスタートスタンバイ






第2ライダーの僕の番が来た。
「今 何位や?」---「59位」
よっしゃわかった これから お料理の時間です(^O^)/




とにかく抜く 前に見える奴らを全部抜く 抜きまくる
コーナーも直線もゼブラゾーンも使って抜きまくる
1年間一生懸命造り上げてきた自分達のマシンを信じて
そしたら なんと サインボードから 現在35位との表示
まだまだ行くぞーーーーーっ!!!
その時でした
もっとペースを上げようと無意識にオーバーペースでヘアピンに進入し
フロントからスリップダウン(T_T)
泉選手転倒~~~
チャラリ~
おりゃーーーっ この時に体の闘志がフルパワーに突入
転倒後10秒もかからずマシンを起こして再スタート
MSシケインも全開 スプーンカーブも全開 そしてバックストレートでマシンのチェック。
左側に転倒したので クラッチレバー・チェンジペダル・ステップバーの緩みなど。
問題無い
「俺が転倒している間に誰が抜いたんや ゆるさんぞ~」
ドンドン前に見えるマシンが近づいてくる
「君か 俺が横になってる間に抜いたんわ ごめん さようなら~」
ぶつぶつ独り言を言いながらフルパワーでの走行。
抜かれた奴らを全部抜き返し まだまだ抜いて行く
確か、この時の記憶ではサインボードから25位との表示が出ていた。
よっしゃスタート時のポジションまできたぞ ここからや
が
あっと言う間に1時間以上が経過していた様子。 僕に対し P の指示がでた。
次にバトンを渡すのは彩ちゃんや、ちょっとでも後続車両との差を広げピットインしよう



女性ライダー内山 彩選手にバトンタッチです。
バイクの乗り方なんて知らなかった彼女が、6年前に初めてバイクの免許を取って
HMSに通って腕を鍛えてきた。
その彼女が鈴鹿でレースです。 信頼できる女性レーサーになりました(^O^)/
本人は嘔吐するほどに緊張していたことでしょう。。。
おもっきり行って来いっ!
それだけを言って僕はマシンを離れました。



サインボードエリアでは弟の内山峻吾君が内田さんと一緒にタイム計測をしていました。


彩ちゃんが走る! この日はグランドスタンドにご両親である(有)内山車体社長ご夫妻が
応援に来てくれていました。
彼女がバイクに乗る事もレースに出る事も ずっと反対し続けていた内山社長ご夫妻
お嬢様の晴姿をしっかり見ててあげて下さい。。。



第1ライダーを終えた丹生谷選手は作戦変更のため走り廻り計算する
全てのラップタイムは高尾君がコンピュータ入力してくれていたので
そのデータを基に作戦を考えてくれていた。

しかーーーーし 突然ピット内に大声が・・・
「彩ちゃんが帰って来ない」
あきおちゃん(高橋さん)の声がひびき渡る
どうしたんや??? オーバーランか? 転倒か? 何処で転倒してるんや?
直ぐにみんなでピットモニターを確認
ピットモニターでは各セクターのセクタータイムが表示されていたので、タイムが表示
されているセクターは通過している事になる。
何処なんや 彼女は 何処で転倒してるんや
ガッビーン(-_-;) 彩ちゃんもヘアピンで転倒している事が判明
あきおちゃんと高尾君がモニターを確認し
「いや 走ってる 大丈夫や走ってる セクター3のタイムが出てる 再スタート出来たんや」 と
彼女は転倒してエンジンが止まってしまうとキックでエンジンがかけれない確率が高い
でも走っている
がんばれ彩ちゃん 抜かれたっていい おもっきり走ってピットまで帰って来い
あとは俺が料理したる

内田さんが彩ちゃんに対し P サインを出した。
彩ちゃんの転倒で順位は29位まで下がった
なんてこっちゃない お料理する品が増えただけや
ピットロードで彩ちゃんの帰りを待つ岩本さん
彼はリーダー補佐役兼消火器担当を受け持ってくれている

彩ちゃんが帰って来たーーー!!!




全員でマシンの損傷確認を行う
結果、左ステップバーが半分以上削れて無くなっていたので、これだけを交換
最低限の交換で最後のライダー泉にバトンタッチ

「ごめんな泉さん、ヘアピンでこけて せっかく追い上げてくれたのに
また順位落してしまったわ~(T_T)」と 彩ちゃんは殆ど泣き顔であった。
「どうもない また全部抜き返しちゃる」
普段、整備の時も練習の時も 彩ちゃんにはずっとずっと厳しくしてきた。
レース前に彼女には言っていた。
どんな事があっても必ず帰って来い!
1時間キックしてもいい 押してでもいいから 体が動くのであれば
最後まで絶対諦めるなと・・・
最後まで諦めず帰って来た彼女には拍手を贈りたい。
マシンがスタートできる状態になった
あきおちゃんから指示が出た!!!


みんなが僕の背中を叩いて送り出してくれた
涙が噴出した
この日の為に皆が時間をさいてくれてミーティングして一生懸命準備してきた
ピットロードの40キロ制限を超えない様 涙を垂らしながらメーターを見ながら
走った
そして40キロ制限を超えた
フル全開 フルパワーの全開である
もう涙は吹き飛んでしまって ゾーンに突入である
前方視野に入るマシンを片っ端から抜いて行く その中には僕達より順位の低い
周回遅れもいるから 抜いたからといって順位が上がる訳でもないが、それでも
全部を抜かなきゃ誰が何位のライダーなのかなんて分からない。
とにかく抜く 抜く 抜く





僕達はトップ10を走っているチームからすると周回遅れになっている
同じ周回数まで追いつけっこないけれど
自分達より上位をキープしているチームもおかまいなしにあっさり抜いていく

実はこの後 面白い事がおこった
トップ集団の3台が僕を抜いたのだ。 それがトップ集団であろうと僕も気が付いた。
何故なら、自分達が優勝するにはどうしてもマークしておくべきライダーだったから。。。
ここで泉は燃えたね
「今の順位は負けてるけど ライディングは絶対負けへんぞ」
スイッチ入ったね
しっかり後ろについて、登りのS字で簡単に抜いてしまった
青旗が振られる 僕達より上位陣なので進路は譲らなくてはいけない
僕は少しずつアクセルを戻しながら前に行かそうと試みる
「え~なんでやねん お前らはよ行けよ。おっそいなぁ」
仕方なく本来なら全開で走る130Rをアクセル戻して進路をゆずる
先頭集団にピッタリついて走る僕の姿はサーキット内のオーロラビジョンにも
しっかり映し出されていた様である。

その後何度も上位陣と接するが 走りは絶対に負けない
内田さんからのサインボードには22位と出ている
最終コーナーを立ち上がった時に遠くに見える1コーナーに進入しようとしている
集団 あれを全部抜いたら10番台の順位になるのか???
葛藤しながらアクセル全開
単独走行になってしまった もっとペースを上げなきゃ残り周回数で前の集団を
抜けない
残りの集中力をふりしぼった 最後まで攻める 攻めて攻めて攻めまくる
しかーーーーーーーーし! そうは問屋が卸さなかった・・・
泉 モーターサイクルシケインを全開で切り返している時にフロントからスリップダウン
痛恨の転倒である
アクセル全開のまま切り返しているので100キロ以上はでているコーナー
左に転倒したマシンが長距離滑っていく
ガガがGaGaーーーーーーーーーーーーーっ!
「お願いだから お願いだから止まってくれ」
自分も一緒に滑りながらハンドルバーからは手を離さなかった
そして止まった。
すぐさまマシンを起こし 損傷を確認しながらエンジンをかけ 即スタート
その間に抜かれたマシンは把握できている
もう一度抜いてやる
マシンに話しかける
「ここまでよく頑張った もう少しや もう少しだけ耐えてくれ」
僕を抜いて行った上位陣のマシンが近づいてきた
コイツを抜いても順位は変わらないが、その前方を行く集団を捕まえる為には
何が何でもタイムUPが必要だ!!!
合同走行会でも度々絡んだライダーだ!!!
悪いけどスリップ使わせてもらうよ。。。
で、今回は順位は負けるけど次は負けへんから ようく覚えておくがよい
シケインの突っ込み競争になった
その相手の腕前は知っている かなり上手い でも負けない
泉 いつものブレーキングポイントに差し掛かった瞬間に一回目を閉じた
そして思いっ切り目を開けて フルブレー――――キング
そこからが問題だった 突っ込み過ぎるとアクセルONが遅れてしまい、立ち上がりで
抜かれてしまうからだ。
フルブレーキングしながら自分に言い聞かせた
立ち上がりで2馬身以上の差を開けるんやぞ!!!ええかっっ
最終コーナーを立ち上がった 前に出てこない サインボード前通過
風の音が変わった 僕のスリップに入りやがったな
でも無視!!!
自分のレコードラインで走り前方の集団が徐々に近づいているのがハッキリと
分かった。
もう時間が無い サインボードからは後4周と出ている。

そして4台抜いた それで順位が変わったかどうかは分からない
まだ気は抜かない
また1台のマシンが近付いて来た!!!
そのマシンも以前に集団でバトルした事のある常勝チームのマシン
ライダーも速い!!!
残り2周
「こいつ何位走ってるのか知らんけど、多分一桁の順位で走ってるんやろ
悪いけど、俺が前でチェッカー受けさせてもらうよ」
いつもの独り言のオンパレードである。
この時僕の腰痛は限界を超えていた。
そして いよいよ最終ラップ突入
最後まで気を抜くな!!!
その上位陣が、最後のシケインでゴボウ抜きする気でいるだろう
でもそうはさせないよ チェッカー受けるまで攻めるんだ
またブレーキング競争になった
目を閉じる 「お前らこの突っ込みを抜いてみ 俺らより上位やろ
上手な所を見せてくれ」
そして目を全開に開き 雑巾を絞る様にフルブレーキ
右内側に少しだけ影が見えたが左に移動した影が見えた
「うふふ 立ち上がり重視のラインに切り替えやがったな」
本当の立ち上がり重視の走りっちゅうもんを見せたるわい★☆★凸
そして最終コーナーを立ち上がる 出てこない
スリップに入られてる音はしない
僕は目一杯伏せてゴールラインを目指す

そして感動のチェッカー
チームのみんなが体をのけぞり出して手を振ってくれている ガッツポーズしてくれている
まるで優勝したかのような

チームのみんなが待っていてくれたストレートに
参加台数119台 予選25番手 決勝総合20位
4回の転倒が有って20位
優勝を目標にやってきましたが
悔しいですが
初参加にしては上出来じゃないでしょうか
長いブログとなってしまいました。
書き切れないドラマがありました。
チームのみんなありがとう!
それを陰で支えて下さっていた各ご家庭のご家族の皆さんありがとう!
応援に来てくれた皆さん、ありがとうございました。
あっち行きこっち行き写真撮影してくれた坂本君ありがとう!!!
1年前にマフラーやバックステップの導入でお電話してからエンジンメンテを
教わりに行き色々と助言をいただいたKurodayaさん ありがとうございました。
その他パーツ、オイルなど数多くの皆様にご協力していただきました。
この場をお借りしてお礼申し上げます。
N'zRacing
最高のチームです。
また来年鈴鹿に帰って来ます。
もっと強くなって
最後にママへ
人工呼吸器を着けて寝たきりで生活しているリコを一生懸命診てくれている中
いつも自分勝手なパパでゴメンナサイm(__)m
心配ばかりかけてごめんなさいm(__)m
パパにもしもの事があったらリコの命さえ守ってやれなくなる そんな環境の
中で、一旦は出場を諦めたのに レース出場に黙ってうなずいてくれた事は
一生忘れません。
最後の2周はリコの事、家族みんなの事、チームのみんなの事を考えたら
涙が止まらなかった。
泣きながらフルブレーキに入った事もライダーとしては忘れる事ができない。
いっつもいっつも家庭を守ってくれてありがとう!!!